お知らせ
お子さまの歯磨き粉
2021.11.08
目次
こんにちは。
川口の歯科医院「医療法人社団歯友会 赤羽歯科 川口診療所」の歯科医の下山です。
今回はよく質問される内容についてお話ししたいと思います。
それは、お子さまの歯磨き粉の選び方についてです。
色々な歯磨き粉があり、何を選んでいいか分からないと思います。選ぶポイント、用途等をお話しますので、是非、
参考にしてみて下さい。
フッ素の濃度
まず、選び方の重要なポイントは、虫歯の予防に有効なフッ素濃度です。フッ素とは、原子番号9の元素であり、歯磨き粉にはフッ化物として使用されています。市販の歯磨き粉には、ほとんどフッ素が配合されていますが、虫歯の予防に有効な濃度が、年齢によって変わってきます。以下の表に示します。
年齢 | フッ素濃度 | 使用量(目安) |
歯の萌出~5歳 | 500ppm | 2歳まで 1~2㎜くらい 3~5歳 5㎜くらい |
6歳~14歳 | 1000ppm | 1㎝くらい |
15歳以上 | 1500ppm | 2㎝くらい |
※商品によっては、使用量が指示されているものもあります。説明書などを参考にして下さい。その商品についてのホームページで、詳しく説明されているものもありますので、参考にしてみてください。
ジェルとペーストのついて
ジェルとペーストに関して、お子さまの場合、ペーストタイプはゆすげるようになってから使用してください。それまでは、ジェルタイプを使用しましょう。ゆすげるようになっても、ジェルタイプを使用しても構わないと思います。夜間フッ素をしっかり効かせることが重要です。寝る前は、ペーストタイプで磨いておいて、ゆすいだ後、ジェルタイプを使用することで、夜間しっかりとフッ素を効かせられます。ペーストタイプは、しっかり磨くために、低刺激、低研磨、低発泡を選びましょう。就寝前にしっかりと歯垢を落とすことは、歯肉炎の予防に重要ですので、低刺激、低研磨、低発泡のほうが、長く丁寧に磨けます。多少研磨剤が配合されているほうが、歯の着色は付きづらいです。ジェルタイプだけを使用し続けると、着色は見られますが、審美以外の問題はないですし、歯科医院で着色を落とすことはできます。
フッ化物の種類
歯磨き粉のフッ化物の種類は、以下の三つになります。
- フッ化ナトリウム(NaF):多くに使用されています。作用は早く、浸透性は低いです。歯垢中の濃度上がります。
- モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP) :作用は遅く、浸透性は高いです。汚れが残っていると、効果が低いです。
- フッ化スズ(SnF2): スズの作用で殺菌作用がありますが、長期使用で着色がみられます。
それぞれ、性質を理解すれば、どれを使っても構わないと思います。例えば、歯垢中の濃度が上がりやすい性質を利用して、外出して歯が磨けない時、フッ化ナトリウム配合のジェルを使ってもいいのではないでしょうか。(清潔な綿棒か何かでささっと少量塗るような使い方など)
当院で取り扱っている歯磨き粉
- Check Up kodomo (グレープ,アップル,ストロベリー) 950ppm フッ化ナトリウム ペースト ライオン
→ 6歳~14歳に、ペーストタイプでおすすめです。低研磨、低発泡、低香味が特徴です。
- Home Gel (グレープ) 970ppm フッ化第一スズ ジェル オーラルケア
→ 6歳~14歳向けの、ジェルタイプです。スズの殺菌効果も期待できます。当院で扱っているフレーバーはグレープのみですが、他のフレーバーも存在しています。ホームページにて使用法が説明されています。
- Check Up standard 1450ppm フッ化ナトリウム ペースト ライオン
→ 15歳以上に、ペーストタイプでおすすめです。もちろん成人の方も使用できます。
当院では取り扱ってないものの、おすすめの歯磨き粉
- Check Up Kodomo 500(ぶどう) 500ppm フッ化ナトリウム ペースト ライオン
→ペーストタイプでしっかり500ppmが明記されているのは珍しいです。あまり実店舗では見ない商品で、ネットなどで販売されているのをみかけます。
- Check Up gel ( バナナ500ppm/ピーチ、ブドウ、レモンティー950ppm/ミント1450ppm)フッ化ナトリウム ジェル ライオン
→小型のドラッグストアではあまり見かけませんが、大型のホームセンターなどでは見かけます。
- ジェル状はみがき ぷちキッズ (キシリトールの自然な甘さ、ブドウ、イチゴ) 500ppm フッ化ナトリウム ジェル ピジョン
→ドラッグストア、子供用品店でよくみかけます。キシリトールのフレーバーは、最も刺激が少ないと思います。
最後に
虫歯は、歯磨きにおいて、適切な濃度のフッ素で予防して、歯肉炎は歯垢をしっかり落とすことで予防します。
選び方としては、年齢にあったフッ素濃度の歯磨き粉を選び、そのなかで、ペーストとジェルを使い分けるのが良いでしょう。しっかり磨くために、低刺激、低発泡、低研磨のものを選びましょう。また、好きなフレーバーで選んであげてもいいと思います。
今回挙げた商品でなくてもいいと思いますが、挙げたものを年齢別にまとめておきます。
▷歯の萌出~5歳(500ppm)
ジェルタイプ→ジェル状はみがきぷちキッズ(キシリトールの自然な甘さ、ブドウ、イチゴ) 、Check Up gel バナナ
ペーストタイプ→Check Up Kodomo 500(ぶどう)
▷6歳~14歳(1000ppm)
ジェルタイプ→Check Up gel(ピーチ、ブドウ、レモンティー)、Home Gel (グレープ、他味あり)
ペーストタイプ→Check Up Kodomo(グレープ,アップル,ストロベリー)
▷15歳以上(1500ppm)
ペーストタイプ→Check Up standard
ジェルタイプ→Check Up gel(ミント
楽しい歯磨きの習慣を身に付けるのにも、歯磨き粉を利用することは大事です。
歯磨き以外のことでも、口腔内でお困りなことがあれば当院までお気軽に相談してください。
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