お知らせ

歯が折れてる。どーする?

2021.12.09

目次

川口の歯科医院「医療法人社団歯友会 赤羽歯科 川口診療所」の歯科医師 長谷川です。

こんにちは、突然ですが皆さんは歯科医院で「歯に亀裂が入っています。」「歯茎の中で根っこが折れています。抜歯が必要です。」などと言われて驚いた事はありませんか?

歯に亀裂が入ったり根っこが割れる事を破折と言います。今回はその破折について説明したいと思います。

歯の破折とは

歯の破折には種類があり

歯の見える白い部分である歯冠が割れてしまうことを歯冠破折(しかんはせつ)、歯ぐきの中にある根の部分が割れてしまうことを歯根破折(しこんはせつ)と呼びます。

歯冠破折については、詰め物や差し歯タイプの被せもの等で治すことができます。

しかし、歯根破折についてはそうでもありません。歯根破折は、歯の根元部分である中から割れてしまう歯の病状を指します。

歯根というのは歯の下部、歯槽骨の中を指しますが、この部分から歯が割れていき、最終的には歯の表面部分も割れてしまうことのある病状です。歯が内部から割れていく形となるため、通常の歯の割れよりも厄介で割れた隙間から歯の根元に細菌が入り込むことで、歯茎そのものを痛める恐れもあります。
歯根破折となると抜歯治療がおこなわれることが多いこともあり、歯根破折は歯の欠損原因の第三位にランクインしています。

そもそも何故破折が起こるのでしょうか。

破折が起きる原因

・歯根の強度低下:神経をとって長期に経過している歯、残存している歯の厚みが薄い歯、感染している脆弱な歯 ⇒主に歯根破折

・過度な力:歯ぎしり、くいしばり、ガムや硬い物を噛む習慣、ブリッジや入れ歯の支えとなっている歯、転倒などでの外傷

不良な修復物や根管治療:応力を集中させるような適合不良なポストコア(土台)、詰め物、過度な応力がうける根管治療

・歯根と骨の癒着(ゆちゃく):歯の神経をとって長らく経過している歯などによく起こる現象

・緊密なかみ合わせ:奥歯のかみ合わせが上下で緊密にかみ合っている咬合状態 ⇒主に歯冠破折

破折による症状

歯根破折は内部から進行するため気付きにくいのが難点ですが、次のような症状が事前に現れることがあります。

・歯茎が腫れる
歯根破折となると周囲の歯茎が腫れて膨らんだ形になることがあります。

・噛むと痛む
噛むと特定の歯が痛んだり、違和感がある場合は、歯根破折の前兆の可能性があります。

・歯が強く痛む
歯根破折により歯が割れると、隙間から雑菌が入り込み、強い痛みを感じることがあります。

・神経を抜いた歯が痛む
特に特徴的なものが神経を抜いた歯が痛むこと。過去の治療で神経を抜いたにも関わらず、その部分から強い痛みを感じる場合は、歯根破折の可能性が高いです。

歯根破折をした炎症のある歯を放置すると

歯根破折を起こし細菌感染が起きると、炎症が引き起こされて歯を支えている骨の吸収が始まります。(骨の吸収とは細菌によって歯を支えている周りの骨が溶けてしまうことです。)そのため、歯根破折して炎症のある状態を長期に放置すると大きく骨が吸収してしまいます。大きな骨吸収は抜歯後の処置(ブリッジ、インプラント、入れ歯)に悪影響を与えます。歯根破折して保存不可と診断した歯については、速やかに抜歯する事が骨の保存と抜歯後の処置の成功につながります。

 

とは言っても、破折の範囲や程度によっては保存可能な場合もあり様々な治療方法があります。歯が折れているのかどこの位置で折れているのか目視で確認出来ないことも多いので少しでも違和感、不安に感じた際にはまずは来院いただき状態を確認のうえ是非ご相談下さい。

監修者情報

院長・歯科医師

原口

慎太郎

平成13年4月 川口診療所 勤務
令和2年10月 川口診療所 院長就任

当院は、安心・丁寧で幅広い診療を心がけることで、地域のみなさんお口を健康だけでなく審美性を含めてトータルでサポートします。
そのため、当院では患者さんとのヒアリングを重視。
患者さん一人一人のご要望をきちんと汲み取ったうえで診療の提案を行っています。歯科治療を通して「噛むことの重要性」「食事の楽しさ」を実感していただくことが、当院の目標です。