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上顎洞炎(副鼻腔炎)ってなんだ?

2022.4.18

目次

川口、鳩ケ谷の歯科医院「医療法人社団歯友会 赤羽歯科 川口診療所」の歯科医師 仲里です。

みなさん副鼻腔炎(ふくびくうえん)って聞いたことありますか?

鼻づまりに悩まされている人なら、副鼻腔炎を聞いたことがあるかもしれません。

実はこの副鼻腔炎、歯が原因でも起こることがあるんです。

今日はこの歯が原因でおこる副鼻腔炎(歯性上顎洞炎)についてお話していきます。

副鼻腔炎って?歯性上顎洞炎って?

鼻腔は鼻の穴の空洞のことをいい、副鼻腔はこの鼻腔と繋がっている、鼻の穴の周りの複数ある空洞のことでです。

副鼻腔には頬の裏にある上顎洞(じょうがくどう)、目の間にある篩骨洞(しこつどう)、額の裏にある前頭洞(ぜんとうどう)、鼻の奥にある蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)があります。

通常は副鼻腔は薄い粘膜で覆われていて、内部には空気が存在しますが、内部に炎症が起こってしまった状態が副鼻腔炎です。

その中でも上顎洞は上顎の歯の近くに位置しているため、歯が原因で内部に炎症が起きることがあるんです。

上顎の奥歯の根の先は上顎洞に非常に近く、薄い骨だけが間にある場合や、根の先が上顎洞内に突き出していることがあり、このような歯の根の先に膿などが生じると、その炎症は上顎洞に広がり、上顎洞の内部に炎症を引き起こします。

これを歯が原因の上顎洞炎、歯性上顎洞炎といいます。

歯性上顎洞炎の症状って?

では歯が原因の上顎洞炎の症状などのようなものでしょうか?

症状には個人差がありますが、上顎洞の存在する目の下、頬のあたりに、痛みが出たり、腫れが出たり、頭痛が生じたりします。

また。原因となる歯に加えて、周囲の歯が数歯にわたって痛みを生じることもあり、炎症が目の下の方まで広がるとまぶたが腫れたり、目の痛み、涙が出たりして、後方に広がると開口障害が起きます。

鼻がつまった感じやや鼻から水や膿が出てきたり、嗅覚が鈍くなったり、全身的な症状としては発熱や全身倦怠、食欲不振などが起こります。

ただ、慢性化すると、腫れはほとんどなく、違和感がある程度で、頭が重い感じや、頭痛、鼻づまりなどが軽く出る程度の場合が多いです。

上顎洞炎の診断

X線検査、CT、原因となる歯の精査により行います。

これは歯性上顎洞炎のCT像です。

歯性上顎洞炎の治療

原因となっている歯の処置を行い、全身的に抗菌薬と抗炎症薬を投与し消炎療法を図ります。

また、場合によっては、上顎洞内の洗浄を行います。

消炎療法で十分な効果が得られない場合は、上顎洞根治手術という外科手術が必要になる場合もあります。

まとめ

歯が原因で鼻づまりなどの症状が出ることがあるんですね。

慢性的な鼻づまりに悩まされている方は、もしかすると歯が原因かもしれません。

今回は歯性上顎洞炎についてお話しましたが、歯が原因で身体の他のところに痛みや腫れなどの不調が生じることがありますので、かかりつけの歯科医院での継続的な管理をおすすめします。

お口のことでお困りなことがあれば、当院までご連絡ください。