お知らせ

虫歯菌と人類の戦い

2020.6.16

こんにちは。川口の歯医者「医療法人社団歯友会 赤羽歯科 川口診療所」の歯科衛生士 中野です。
コロナが猛威を奮うこの世の中不安な気持ちを抱える方も多いと思います。世界中で尊い命が奪われ、今までの生活が一変しました。今現在も世界中でコロナとの闘いが続いています。今回お話しする内容はコロナ以前から続く菌、ウイルスと人類の戦い、中でも一番皆さんに身近な虫歯菌についてお話していこうと思います。

虫歯菌ってそもそも何だろう?

虫歯菌?虫歯ってバイキンが原因?と疑問に思われる方も多いと思います。では今から虫歯になるメカニズムについてご説明します。
虫歯の最大の原因はミュータンス菌という糖を餌に歯を溶かす酸を作り出す菌です。この菌はミュータンス菌を持つ人と食器、食べ物などを共有したりすることによって感染します。赤ちゃんが離乳食に移る時期に家族から口移しでご飯をたべさせてもらう、スプーンを共有する等の行為はミュータンス菌のいない赤ちゃんを感染させてしまう可能性があるため虫歯のリスクという観点からはお勧めできません。

虫歯は虫歯菌だけが原因なの?

菌に一度感染すると一生虫歯に苦しむのでしょうか?いいえミュータンス菌はリスクの一つの要因であり他にも虫歯になる因子が4つあります。

1、 細菌:ミュータンス菌の有無、量
2、 宿主:
・歯の有無
・歯質の強さ
・唾液量の多さ
(自浄作用といって唾液には口腔内を清潔に保つ作用があります。ネバネバした唾液よりサラサラした唾液の方が効果は高いといえるでしょう。また唾液中のミネラルが酸にさらされた歯を修復します。口をポカンと開けたままだとお口が乾燥してこの効果が発揮できなくなります)
3、 糖質:糖分の摂取
(糖分の量以上にその糖分が歯に歯垢として残留しやすいかどうが重要になります。例えばゼリーよりもチョコレートの方がねばねば口の中にのこりやすくリスクも高いといえるでしょう)
4、 時間:菌の産出する酸にさらされる時間
(食後の歯磨きでこのリスクは軽減します。また短時間に何回も酸にさらされると歯を修復する機能が十分に発揮できなくなります。一日に何回も間食をとるのはそのリスクをたかめます。)

これらのリスクを一つでも減らすことが虫歯になるか、ならないかの分かれ道となるのです。食後の歯ブラシ、間食を一日に何回も取らない、お口を乾燥させないこれらの皆さんの努力が虫歯にならないお口をつくるのです。

昔の人たちって虫歯どうしていたのかな?

このメカニズムがわかってきたのは、ごく最近のことです。では太古の昔、人類は虫歯菌とどのように戦ってきたのでしょうか。
歯が痛くなるのは、歯の中に存在する歯虫の存在だと思われていました。治療法としては歯を燻す、おまじないを唱えるなど原始的な方法が用いられていました。現在では考えられませんね。当然このような治療法は効果がなく、抜歯になることがほとんどでした。18世紀ごろにようやく歯虫は存在しないと分かったのです。
現在では虫歯に罹患しても抜歯ではなく、基本的に残せる歯は保存しようという考え方です。虫歯の進行している段階にあわせて必要以上に歯を削らない「Minimum Intervention」という考え方が現在の歯科治療の基本となっており、また麻酔治療の技術の発展からより痛くない患者さんに優しい治療が可能となっています。

まとめ

実に長い年月ではありますが人類は虫歯と戦いそれに打ち勝とうとしています。今世界中で多くの医療従事者がコロナと戦い患者さんの命を救う中で院内感染という悲しいニュースも耳に入ってきています。非常に感染リスクの高いウイルスであることから難しい点も多いのだと思います。歯のトラブルを抱えながら、コロナへの院内感染をご心配されてなかなか通院をためらっている患者さんもいらっしゃるのではと思われます。ただ虫歯、歯周病は進行性のものであり放置の期間が長いほど今後の治療で歯に負担をかけてしまうこともあります。赤羽歯科では消毒の徹底、患者さんにもアルコールによる手指の消毒、うがいのご協力で感染リスクを最小限にとどめられるよう最大限の努力で治療にあたっております。大変な世の中ではあると思いますが、私たち人類はきっとこの困難を乗り越えられます。皆さんのご健康を願っています。